2017.05.12 Fri
#Kansai
スタイリスト マドカススムの All Time Best ITEM’S #04
「inkのコーチジャケット」
この数年の間に確立されたカテゴリー『リメイク』。
今でこそ色んなアイテムがあり、ブランドもあるけど『リメイク』なんて言葉が決してメジャーではなかった10年以上前からこのリメイクに真摯に向き合ってきた先駆者的なブランドがある… <ink>だ。
関西ブランドの中でもキャリアも知名度もあるこのブランドが誇るのは、他の追随を許さないリメイクアイテムの圧倒的なクオリティにある。それらを創造するデザイナー岡田氏の事務所は、常に足の踏み場がないほどの資材が床に壁にと溢れている。僕は事務所にお邪魔する時、いつもその様子を楽しみにしている。何故なら所狭しと置かれたミリタリー物のジャケットやインナー、デニム、ネルシャツ、カシミアなどの様々な素材が、次のシーズンどんな姿に”再構築”されるのか想像するのが楽しいから。
そんな僕の軽口に付き合いながらも岡田氏の素材を解体する手は止まらない。inkは一つ一つのアイテムを作る時の膨大な量の素材の解体、裁断をデザイナーとスタッフが手間暇かけて行う。裁断された素材は「パーツ」となりパズルのピースのように積み上げられて新しい服として再構築されるのを待つ。
インクのCITY OF G
今回紹介したアイテム『CITY OF G』は古着のデニムパンツを約4本解体して何十個ものパーツで[再構築]されたコーチジャケットだ。シルエットは全体的にゆとりを持たせアームホールをしっかりとることで袖を通した時にごわつく感じもないし着心地も良い。コーチジャケットなんて巷に溢れてるけどこんなアートピースな1着には滅多に出逢えない。当たり前だがただ切って貼って作られたもの…なんて単純なものでは断じてない。
inkのリメイクアイテムは念密に計算されたパターン(服の設計図)に基づいて制作される完成度の高い服だ。いつもコレクションを見ると「こんな方法があるのか」とリメイクに無限の可能性を感じる。これからも僕はこの先駆者が作る[リメイク]=[進化]に胸をドキドキさせられるんだ。
スタイリスト
圓 進 Susumu Madoka
関西を中心に、雑誌「カジカジ」など様々なメディアで活躍中。アメ村〜堀江界隈は名実ともに自分の庭、関西のストリートファッションシーンには欠かせない一人。本人は人懐っこい人柄で犬っぽいのとは対照的に、2匹の猫をこよなく愛するネコ派スタイリスト。
スタイリスト マドカススムの All Time Best ITEM’S
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