「私のゴスペルソング」と歌い出す。
歓喜と情熱のフロア体験はここに。
【NIGHT CLUBING】CONPASS

東心斎橋の鰻谷通り、ざわめく一角に位置するクラブ『コンパス』。国内外からさまざまなトップアクトが出演しては、音楽好きたちを熱狂させている。ポップもオルタナティヴもロックもヒップホップもテクノもレゲエもブラックメタルもハードコアもハウスもジャズも、振り幅は広くともある種一貫していて、心意気を持ったミュージシャンや音楽ファンが集うハコだ。

2月の真冬の夜に行われたのは、久々の開催となる〈Impression〉。毎回、ニヤけちゃうほどにナイスなブッキングで知られた名物イベントの復活＆主催するバンド・AFNICAも再始動、という一日だ。00年前後の国内R&Bシーンを席巻したSUGAR SOUL（！）をはじめ、AFNICAにゆかりのある、そしてAFNICAが敬愛するミュージシャンたちが一同に介しての夜。

aquvi（12 or 34）シンガー　

「AFNICA最高！　おめでとう！　YOKOYUREよろしく」

ケンメイ（35）amanita

「AFNICA復活＆10周年おめでとうございます！」

カレーを食べたりお酒を飲んだり、久々の再会に歓喜したり（そういった再会があるのもまた音楽の持つ魅力のひとつだ）。みんな好き勝手に遊んでいるのにどこか一体感のある空気が満ち満ちているのがいい。音楽の鳴るほうへと足を向けてみると、エマーソン北村が心地良く演奏中。ゆるやかだけど尖っていて、ハッとする瞬間がたくさんで、なんというかもう、贅沢すぎる時間が過ぎていく。ふと気づけばSchroeder-Headz。酔った身体に名曲「NEWDAYS」が染み渡る。

YOUNGSHIM（36）洋服ショップのオーナー

「little $uzieに遊びにきてください」

DAICHA（38）カレー屋

「ナマステ」

八重（36）会社員　

「楽しいです」

この日の主役、AFNICAはジャズを軸に自由度高く駆け抜けていく。ヴォーカル・Keiの歌、ステージングからは並々ならぬ気合いが伝わってきて、この日に賭ける思い（そして音楽を再び、続けるという意志）にグッとくる。こういった瞬間は、フロアでこそ体験できるものだ。

そしてトリは、SUGAR SOUL。現在は熊本のエコビレッジで暮らしつつ音楽活動を再開したばかりで、この日はナニワのレゲエバンド、BAGDAD CAFE THE trench townのリズム隊＝BAGDAD RIDDIM SECTIONをバックに従えてのステージだ。

満月の翌日だった今宵、新曲「ムーンライトダンス」では「月がきれいだよ」と歌い、昨年末に逝去した音楽プロデューサー・朝本浩文作曲の「いいよ」を歌い上げる。そして「Respect Yourself」も。ブランクもなんのその、BAGDAD RIDDIM SECTIONとの相性もバッチリで、そのパフォーマンスに、ヴァイブスにぐんぐん引き込まれる。

「私のゴスペルソング」という一言からはじまったのは、彼女の代表曲にして大名曲「Garden」。やっぱりめちゃくちゃいい曲で、99年発表ってことは20年近くも前か…と感慨に耽る間もなくその音、そのメロディ、その歌が全身に直撃して、揺さぶられる。オーディエンスも大合唱で、フロア一面、笑顔ばかりで。なんていい光景なんだろう。

ラストは〈Impression〉恒例のセッションタイムも！　この日の出演者がステージに集まり、「What a Wonderful World」を歌い、奏でての大団円。多幸感と素晴らしき音楽に溢れた、ある日曜の夜。

Impression -AFNICA ReSTART & 10th ANNIVERARY-

2/12（日） at CONPASS

LIVE：AFNICA / SUGAR SOUL × BAGDAD RIDDIM SECTION / エマーソン北村 / Schroeder-Headz / TOMOHIKO HEAVYLOOPER（ex SUPER BUTTER DOG） & NUQUI LINA（higurashi records inc.） / AZ.CATALPA / BANEBANE / amanita / vongsign

DJ：下村真一（飛飛機械）

FOOD：アドゥマン / ハマカレー

CONPASS

大阪市中央区東心斎橋1-12-20 心斎橋ダイワビルB1F

Tel : 06-6243-1666

Photo / KAZUKI WATANABE

Text / TAKUYA NAKATANI

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