2016.07.05 Tue
#Osaka
平野に点在する摩訶不思議な博物館!
一体、その実態とは?《Report 1》
平野には町ぐるみで、たくさんの博物館がある。そんな情報を教えてくれたのは84歳のおじいちゃんだった。見せてくれたのは30年前の雑誌、そこに載っていたのは種類豊富でユニークな博物館ばかり。30年も前から博物館をしているのになぜ、こんなアナログな形で存在を知ったのだろうと不思議に思うと同時に、それを実際にこの目で見てみたいと思った。
しかし、30年前の情報だから今もやっているのだろうか? ネットサーフィンで調べてみるとHPはあるようだが、更新はあまりされていないよう。1993年から「平野町ぐるみ博物館」としての運動が始まったらしいが、調べてみるほどに、さらに興味が沸いてくる。平野の博物館の実態は何なのか?
平野は戦下の空襲を逃れ、昔ながらの町並みが残る地域。大坂夏の陣で真田幸村が徳川軍を弾圧する際に休憩、地雷を仕掛けるなどまさに戦地の舞台となった歴史がある。
そんな平野町を歩いてみるとマンションが少なく家が低い。所々に白壁と古い瓦でできた日本家屋や長屋が姿を現し、なんとも風情がある街だ。
初めての博物館として訪れたのは平野町の中心、平野本町通商店街にある「全興寺」内の駄菓子屋さん博物館と平野の音博物館。年に一度受付として使われる家屋を改築して作られたこじんまりとした博物館は中に入ると40年代の50年代のおもちゃがとにかくたくさん展示されている。
駄菓子の実物は少し、メンコやブリキの船、ビー玉のおまけや着せ替え人形と種類豊富。戦後の復興と東京五輪への希望に沸いた日本のその時代独特の「夢」いっぱいのおもちゃに心のときめきがふつふつとわいてくる。
この博物館を開いたのが全興寺の住職、川口良介さん(69)歳。「当時は当たり前だったけれど、今となってはとても貴重な存在になったおもちゃ。男の子用、女の子用はあったけれど、ゲームなどが無かった時代、どんなおもちゃにも男女関係なく子供たちが集まってみんなで楽しんだ。物は少ないけれど心は豊かな時代でした。そんな時代を知ってもらえれば」と優しく懐かしそうに微笑む。
もう一つの平野の音博物館はCDを再生すると自転車や車の音、バイクのエンジン音、子供の笑う声、100種類の「平野の音」が収録されている。その時々の平野の生活が頭の中でイメージが膨らみ、少しの間タイムスリップしたような気分だ。
全興寺を事務局として、このあたりに集中して博物館があるという。平野の町に根付く博物館。予定通り開いていない博物館もあったり道に迷ったり、結構な手探り感覚。スマホに慣れた現代人が巡るのにはちょっとめんどくさいかもしれない。
ペーパーマップ片手に道行く人に場所を尋ねる、そんなアナログなやり方が合う平野のまちぐるみ博物館。こ感覚を楽しみながら博物館の全容解明に向け、ゆったりと実態調査していこうと思う。とはいえ残す博物館は休館の2館を除き11か所もあるから身を引き締める思いで挑まなければ(汗)。
平野町ぐるみ博物館
毎月第4日曜日は全館開館
事務局平野の町づくりを考える会
大阪市平野区平野本町4-12-21 全興寺内
Tel:06-6791-2683
駄菓子屋さん博物館/平野の音博物館
大阪市平野区平野本町4-12-21 全興寺内
土日祝 9時~17時
歴史についての参考URL》
www.city.osaka.lg.jp/hirano/page/0000332730.html
Report / Yukako Okada
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