【長編読物2/2】
京都「岡崎」をゆる〜く歩いてみた。

続きです。

  「すみれの花を黙って１分間眺めてみよう。諸君はどれほどたくさんのものが見えてくるかに驚くでしょう」小林秀雄の本に書かれた言葉が印象に残り、二条通りを歩いていると、花屋さんを見つけた。名前を【suiu】という。青葉に降り注ぐ雨のように、花や緑で暮らしに潤いを与えられたらという想いが込められているそうだ。切り花、観葉植物、庭木と様々な植物を扱う中、花と同じくらいグリーン＝葉の美しさに目を向けるスタンスが印象に残った。ご夫婦がオーナーで、男性と女性、両方の側面を持つのがこのお店の魅力かなと思った。

花と緑で、暮らしに潤いを与える。

suiu

スイウ

京都市左京区岡崎徳成町18-6

Tel：075-754-0351

11:00～20:00　不定休　

http://suiu-kyoto.jp

　実は昔、京都に住んでいたことがある。この辺りもずいぶん変わったなと昔の風景を思い出しながらブラブラ歩いていると、見覚えのあるお店が視界に飛び込んできた。【ブルーパロット】というアンティーク・ヴィンテージを扱う家具屋で、15年前に本棚を買ったのだ。懐かしい気持ちで店に入ると、家具の他にも食器やランプ雑貨など、当時より扱う商品が増えていた。普通、古道具を扱う店に入ると特有の匂いがするのだが、ここは感じない。アンテイークの良さを残しつつ、塗装や立て付けが丁寧にリペアされているからで、新品の家具と同じように長期間使えるという。確かに我が家にある木製の本棚は、食器棚として今も現役だ。数万円と大学生の自分にとっては安くはなかったが、未だに使っていることを考えるとで良い買い物だった。

1975年創業、アンティーク家具の老舗。

antique blue Parrot

アンティーク ブルーパロット

京都市左京区聖護院円頓美町24-1　

Tel：075-761-8681　

11:00～20:00　 水曜・第2木曜休　

www.blueparrot.jp

　紅葉を見ながら疎水を歩く。チョコレートの芳しい香りがしてきたので足を止めた。レンガ調の建物に【BENCINY】のフラッグが揺れている。訊くと昨年1月にオープンした板チョコ専門店で、カカオの味を楽しんでもらえたらとお店をはじめたそう。原産地や焙煎によって味が変わるらしく、ガーナを頂くととても濃厚でふんわりナッツの香りがした。普段食べているチョコレートとは全く違うが恐ろしく癖になる味。ワインやウィスキーにも合うとのことなので、チョコ好きは、足を運んでみるべし。

週末営業のBean to Bar。

BENCINY

チョコレートは全７種類

ベンチーニー

京都市左京区岡崎西天王町84-1

M&M’s apartment 1-B

Tel：075-761-3939

金 14:00～17:00 ／土日 12:00～17:00　

月曜～木曜休

　岡崎を紹介するにあたってラストは【京都市動物園】と決めていた。昨年のグランドオープンはロームシアターの改修以上に京都人が喜んだ。動物園としては『上野動物園』に次いで日本で二番目に古く、113年の歴史をほこるが、敷地面積は『上野動物園』の３分の１。リニューアルにあたってはそれを逆手に取り、空間を縦に広げるなど様々な趣向が凝らされた。現在、約130種の動物がいるが、どれも距離が驚くほど近い。動物の体臭や鳴き声をダイレクトに五感で体験することができ、子供はもちろん大人も楽しめる。観覧車やサル島は昔のまま残っており、新しさの中にも懐かしさを感じた。

動物との距離が近い、驚きの展示。
京都市動物園

シロテテナガザルのシロマティ君。よく鳴く

京都市動物園

京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内

Tel：075-771-0210

3〜11月 9:00～17:00／12〜2月 9:00～16:30

※入園は閉園30分前

月曜休（祝日の場合、翌平日が休）

text / moriman

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