2016.10.26 Wed
#Osaka

太陽の塔、その知られざる内部に潜入!
【秘密の扉が開く、そこで目にしたものとは.. 編】
1970年に開催され、今なお数多くのファンが存在する日本万国博、いわゆる『大阪万博』。「人類の進歩と調和」がテーマとなったこの祭典を象徴するのが、当時の姿そのままに今も健在の『太陽の塔』だ。
そんな太陽の塔が、この11月より「太陽の塔内部再生」事業として耐震工事を兼ねた大幅な改修工事が行われる。その直前に最後の内部公開として、10月29・30日に抽選の一般公開が開催されることとなった。しかし、この一般公開、定員500名に対し応募がなんと8万人! 約160倍もの超プレミア公開となってしまった。
そこで、太陽の塔内部を見たくても見られない多くの人にために、いち早くプレス向け内覧会に参加することができたコンパス編集部が、その内部をレポート。しかも一般公開で入ることができるのは1階部分のみ15分となっているが、コンパスでは1階~6階最上階まで塔内の隅々を取材することができた。
40年もの間、静かに時を刻んできた太陽の塔。誰もが気になるそのベールに包まれた内部を、どこよりも濃くお伝えしよう。
太陽の塔があるのは、もちろん万博記念公園の自然文化園。あると分かっていてもゲートを入ってすぐに飛び込んでくるその存在感には、いつも圧倒されてしまう
白い眼は前、未来を見つめる。裏側には黒い顔があり歴史を振り返る。金色の顔は暗黒の部分にも目を光らせ進歩を促す
塔の入り口は、お祭り広場の観覧席の階段から通じる地下にある。入場には劣化による落下物や耐震関係の危険もあり、ヘルメットの着用が義務付けられた。いつもは絶対に開かれることのない扉の中に潜入する… ウワサに聞く『生命の樹」とは一体どんなものなのか? 俄然こみ上げてくる興奮を抑えつつ、いよいよ内覧会がスタート。
この少し寂れたスタンドの中に内部へと通じる入口がある。何の変哲もない場所だけに逆に秘密の入口感がある
ヘルメットの着用はバッチリ。いざ出発!
扉を開けると当時の写真のパネル展示。一つ一つに説明書きがある
▼通路のパネルギャラリー ※クリックで拡大
40年以上前、当時にこんな風景が広がっていたとは、あらゆる意味で驚きだ
太陽の塔、万博当時の様子を捉えた写真。1970年3月15日~9月13日まで開催され、日給がおよそ1000円だった時代に総投資額約1兆円という大規模な祭典となった
2つ目の扉を開けると一旦屋外へ、太陽の塔の真裏の真下に出る。普段こんなにも近くで塔を見ることはないので不思議な感覚だ。下から見上げるとその大きさ、迫力が一段と際立つ。所々が黒ずんだり、汚れていたりするなど40年の風化が垣間見える。
黒い顔は後ろを覗き、歴史を振り返っているというもの
塔の根元は地上より一段下がった場所。間近で見ると一層、太陽の塔の大きさが分かる
いよいよ塔に潜入! 扉の中にはどんな光景が待っているのか…
緊張の一瞬。意外と普通の見た目の内部へとつながる扉を開けると、まずは赤一色の世界。ほこりと古いコンクリートの匂いが鼻を突く。
ここより内部画像 ↓
約30億年前、海の中から初めて原始的な生命が生まれてきた時代が表現されていた場所
当時は透明な持ち手の長いワイングラスのような造形物やアメーバのようなオブジェが所狭しと並べられていたそう
壁一面にV字の凹凸がびっしり。音楽ホールの壁のようだが、実際に中から見ると異様な光景
無造作に置かれた原始人の造形物。1階部分は30億年前の生命の誕生が表現されるゾーンなので、元々は「生命の樹」の別のどこかに取り付けられていたものと予想される
一面真っ赤な景色、さらに異様さを増幅するように塔内に響きわたるノイジィで不穏なメロディ(♪ 生命の賛歌。万博当時も流れていた曲だそう)。すでに頭がクラクラしてくるような体験だが、ふと天井を見上げた先に、それはあった。
これか…! 岡本太郎渾身の作『生命の樹』。
生物が誕生し、人類に進化する過程が1階から最上階まで順に表現されいる。赤・白・黄・青とカラフルな配色の生命の樹は巨大でかつ、エネルギッシュ。
前述の塔内に響くBGM「生命の賛歌」と相まって、ふつふつと暗闇から生命が生まれては消えて行くようなノイズが壁に反響して頭のてっぺんから降り注ぐ異様さは、まさに異空間。
生命の樹、その根元は30億年前・三葉虫時代が表現された部分からはじまる
なお、一般向けに公開されるのはここまで。これだけでも十分に価値のある光景だが、我々はその先、さらに太陽の塔内部の深淵にまで触れてみた。一体どんな世界が広がっているのか、その完全保存版の衝撃取材は次回のレポートにて。
Report / Yukako Okada
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