｢ちょっと忙しいくらいがいい、人生を２倍楽しむ女の子」
天牛美矢子 Monday Morning Girl #35

#月曜女子

月曜、朝の女の子 35人目

天牛美矢子 Miyako Tengyu

28歳古本屋店長 / アーティスト

おはようございます。

今日の女の子は、いろいろと謎を秘めてそうなミステリアスな美矢子ちゃん。まずは、待ち合わせが天満駅という謎から。

｢ここで働いてます！」
天満駅から天神橋筋商店街の中程まで歩いてきた。目の前に現れた看板には『天牛書店』の文字。そうここは、美矢子ちゃんのひいおじいちゃんの代から営んでいる古本屋さん。「本店は江坂にあって、こちらの天神橋支店の店長をしています」。

店長の仕事は店頭に立つこと以外にもたくさん。シフトやお給料の管理、フェアのチラシをつくったり、本のセレクトも行なっている。「客層に合わせて雑誌など若い人向けの本も多いのが特なんです。また本店に比べて本を置くスペースが狭いので、おっ!! と目を引くようなものをセレクトしています。そして一番のポイントは、値段。適正価格で出しているので比較的、安い方かな。『こんなに安く買えるの!!』ってお客さんにびっくりされることもあるんです（笑）」。

買い終わってほくほくと満足げな顔で店をあとにするお客さんを見ることが何よりも嬉しい。「本は繋がっていく感じがします」。

大学院を卒業してすぐに、家業を手伝うようになった美矢子ちゃんだけど、実は想定の範囲外。「もちろんいつかは継ごうと思っていました。でも、モラトリアムな時間が欲しかったので院に進学しましたし、しばらくは講師としてそのまま大学に残るつもりでした。でも諸事情で店長の席が空いてしまって両親から『美矢ちゃん、戻ってきてくれへんかな』と」。

「110年以上受け継がれてきたものを残したいなと思いました。ずっと残ってきたものって面白いんですよ。それに、制作活動をする上で自分のルーツは切っても切れない大切なものだと気付きました」。

そう、“制作”。美矢子ちゃんは、名門京都市立芸術大学の染織専攻を卒業した新進気鋭のアーティスト。今年の8月はグループ展、来年の2月には個展を控えているなどかなり精力的に活動している。

布や革などを素材に、手芸技法などを使用して制作。「モチーフは神話や民話から」

「これは完全に制作の息抜きとしてやってます」と言うこちらは、美矢子ちゃんを含めメンバー３人で作っているzine 『MOTEL』。主にイラストで参加し、ときたま文章を書くことも。

紙の上で旅をするがコンセプト。新刊のたびに行き先となるテーマが変わる。最新号 VOL.08は『秘密の食事』

現在は週4で古本屋、週2で京都にあるアトリエで制作をしているそうだけど、状況により大きく変動することもしばしば。「展示を控えているときは2週間お店に立たずアトリエに籠ることもありますし、逆にお店が忙しいときは仕事のあと家に持ち帰って作品をつくることも。もちろん大変だし、どっちもプレッシャーを感じることも多いです。本の売上が下がると凹みますし、作品が評価されなかったらどうしよう〜って不安になったりとか（笑）」。