｢目の前の興味に忠実に、柔らかく生きる女の子」伊藤邑
Monday Morning Girl #34

#月曜女子

月曜、朝の女の子 34人目

伊藤邑 Yu Ito

20歳　学生

おはようございます。

今日は、京都の美大でイラストの勉強をしている女の子。キリッとした瞳やイラストの描線とは裏腹に、とってもふんわりした人柄に触れてみたい。

「大学には行きたかったんですけど、夢とか無かったんです。将来なりたい職業とかもなくて。そのときはイラストを描くのが好きだったからこれで進学しようって」。

柔軟に進路を決めたものの、美術の授業も取ってなかったし画塾に通ったこともない。志望校の入学試験に『2日間講義を受けて最後に作品を提出する』というなんとも面白い体験授業型のAO入試があり、こちらに見事合格。「当時、よく描いていたとはいえメモ帳にシャーペンでだったんですけどね」ってなんだそれ。

しかも京都に特に思い入れがあったわけでもなく、とりあえず県外に出たかった。「知り合いに『京都はアーティスティックな街だよ』と勧めてもらいました。入試の時にめちゃくちゃ作品を褒められていた子が落ちて、全然褒められなかった私が受かってたんですよ。そこで京都は怖いところだなと（笑）」。

そんな彼女ももうすぐ4回生。この3月から就職活動がはじまったそう。「イラストは趣味でいいです。仕事にはしないですね。京都の伝統的なものづくりに関わることがしたいな」。

しかし続けて、「でも…」と口ごもった。「いずれは家業を継ぎたい気持ちもあります」。
聞けば邑ちゃんの家は釣り堀を営んでいると言う。そんな子にこれからの人生で絶対会えそうにないからこの話、掘り下げてみよう。

邑ちゃんの実家があるのは広島県の山奥。最寄駅からは車で40分。家のまわりにはコンビニも、携帯の電波も、さらにご近所さんもいない。山の中にポツンとある一軒家。京都に来たばかりの頃はあらゆることの便利さに驚きの連続だったそう。

流しに手が届くか届かないかくらい小さい頃から皿洗いなどの手伝いをはじめた。現在は長期休暇のタイミングでがっつり帰省し、朝から晩までみっちりバイトをしている。「受付をして、竿を片付けて、BBQの野菜を切って、釣り上げられた魚を捌いて塩焼き準備をしてって、やることも多いしめっちゃ忙しいですけど楽しいです」。魚を捌くときには「ごめんね、ごめんねって言っちゃう…」なんて可愛いすぎる一面も。

みなさん彼女のイラストを思い出してほしい。*クリックで上に戻ります
これは悲恋の人魚姫をテーマに描いたもの、そう金魚なのだ。川魚への愛が溢れているのがわかるでしょう。

実家で犬を5匹飼ってます / 道中、猫を見つけた。「猫、めっちゃ飼いたいんですけど一人暮らしで飼っちゃうと終わりだと思ってます（笑）」

川魚だけにとどまらず動物が大好きな邑ちゃん。「文鳥とインコとハムスターとうさぎとヤギを飼ってました。犬は、家が山の中なので野犬が迷い込んでくることもあって、気づいたらウチの子になってる（笑）。チワワもいるんですけど、どうしても飼いたくて小6のときにこれまで貯めていたお年玉やお小遣い30万円くらいをはたいて買いました」。

広島で何かオススメある？って聞いたら「もみじ饅頭は大陸側じゃなくて宮島に渡った方が美味しいです。手作業でつくっている小さなお店が多いので。わたしは木村屋のアップルもみじ饅頭が好きです。あとは、宮島水族館。うちのニジマスを入れてるんです。うちの魚は美人なんですよ〜♡」。