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2016.06.21 Tue

#Hyogo

【連載】乱痴気 前川拓史の兵庫じばさんぽ。vol.03  たつのレザー

【連載】
乱痴気 前川拓史の兵庫じばさんぽ。
vol.03 たつのレザー

#レザー#地場産業#竜野

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神戸を代表するセレクトショップ「乱痴気」の代表、前川拓史さんが兵庫県内の民工芸の地場産業を訪れ紹介する連載企画。今回は、たつの市 “たつのレザー”へ訪問です。

 

 

 

たつのレザー Tatsuno City

 じばさん3たつの

 

兵庫県南西部に位置するたつの市は、 姫路市と並ぶ日本最大級の皮革産地。 揖保川と林田川の豊富な水源を活かし、 古くから伝統産業として 皮革産業が培われてきました。 現在でも、たくさんのタンナーが軒を連ねています。

 

 


 

 

『皮革と比較』

 

神戸から車で瀬戸内海沿いを西へ約1時間30分。姫路を少し越え、訪れた先は兵庫天然皮革の「たつのレザー」のタンナー、『中嶋皮革工業所』さん。たつのレザーは「姫路レザー」と並ぶ天然皮革の一大産地です。みなさん知っていますか? 日本国内のレザー生産量のうち、約70%が兵庫県で作られているんですよ。  

 

僕が大、大、大リスペクトしている、男気あふれる中嶋皮革工業所の社長のもとには、社長の長男さんを筆頭にタンナリー(皮をなめす職人)がたくさん居られます。その中でも異彩を放つタンナリーの香田さんは面白い経歴の持ち主。若い頃に単身で渡米し、サンフランシスコのジャパニーズレストランで板前をしておられ、帰国後に中嶋社長を慕ってタンナリーの道へと進んだそうです。

 

 

革は繊維など他の素材と違い生き物。皮を革へ変貌させるには、緻密なデータが要求される反面、その日の天候などにより職人の勘が必要になってくる

革は繊維など他の素材と違い生き物。皮を革へ変貌させるには、緻密なデータが要求される反面、その日の天候などにより職人の勘が必要になってくる

 

そんな香田さんは若き日のアメリカ生活で養ったのか、革なめしのセンスだけでなく、ファッションセンスが抜群なんです。私服で『ランチキ』に現れた時、「ごっついオシャレなオヤジ来よったで!」と思ったら、香田さんで吃驚しました。モノづくりの現場にファッションのことが分かる人がいるとホント助かるんですよね。だから、そんな香田さんを頼りにして、直接ここへ訪れるデザイナーさんもとても多いんです。

 

 

香田さん(一番右)と息子3人の私服姿。次の写真は作業着姿

香田さん(一番右)と息子3人の私服姿。次の写真は作業着姿

 

 

親父の背中を追っかけて息子達4人も一人前のタンナリーを目指して修業中。親父に追いつけ追い越せで、朝から晩まで汗まみれで働いています。僕は一人娘なんで、親父と息子のそんな姿に憧れます。  

 

そんな息子らも、親父に負けず劣らずなかなかのオシャレさん。作業服姿と私服姿を皮革(ヒカク)だけに比較してみて下さいな!

 

 

 

 ZIBASAN_11

 

前川拓史

神戸のセレクトショップ「乱痴気」代表。 2008年から、兵庫県内の地場産業と一緒に物づくりをする「兵庫じばさん」プロジェクトをスタート。 2013年には、地場産業を扱う「じばさんエレ」をオープン。

 

じぱさんele

http://www.lantiki.com/ele/

 


 

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