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2018.06.10 Sun

#Kobe

【連載】乱痴気 前川拓史の兵庫じばさんぽ。vol.15  長田シューズ(ラッキーベル)

【連載】
乱痴気 前川拓史の兵庫じばさんぽ。
vol.15 長田シューズ(ラッキーベル)

#地場産業#長田

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神戸を代表するセレクトショップ「乱痴気」の代表、前川拓史さんが兵庫県内の民工芸の地場産業を訪れ紹介する連載企画。今回は初の電車移動でJR新長田駅周辺、靴の町へ。訪ねたのは、学校指定の靴としておなじみの『ラッキーベル』さんです。

 

 

 

長田シューズ(ラッキーベル) Kobe City

 

長田シューズ「ラッキーベル」。昭和36年創業以来、学校指定の上履きや体育館シューズを手がける長田のシューズメーカー。“子供たちを足元から支える”をテーマに掲げ、人間工学に基づいたシューズを展開する。ベルのマークのロゴを見れば懐かしさを感じる神戸っ子も多いのでは?

 

 

 

 

 

『笑と咲』

 

 靴の町として知られる神戸・長田ですが、今はレディースシューズの製造が主で、メンズファッションに携わる僕は、なかなか商品開発に繋げられず、ずっとジレンマでした。

 

 しかし、神戸市と<ビームス ジャパン>とのプロジェクト『BEAMS EYE ON KOBE』の手伝いをさせて頂いた時、「商品開発をするにあたって長田のシューズは外せない」と役所の方から言われ、藁をも掴む思いで、前々から気になってたここ<ラッキーベル>へ飛び込みました。

 

 

 

 

 

 <ラッキーベル>は、今でも体育館シューズや上履きの生産を続けていて、技術力はピカイチだけど、ほとんどの生産を海外に移していてメイド・イン・神戸を謳った企画には当てはまらず…。「商品開発は難しいかのか」と思ってた時に、ショールームの片隅に置いてあるサンダルに気がつきました。その商品は、海外ではなく全て神戸で作られているとのこと。

 

さらに詳しく聞いてみると、長野県の幼稚園や小学校で指定されているサンダルで、裸足教育を推進していく中で、より素足に近い感覚で履けるサンダルが開発されたそうです。なんて素晴らしいアイテムが眠っていたのかと、<ビームス ジャパン>の担当者と目を合わせてニンマリ。そこから商品開発に向けて試行錯誤、サンダルの底部分を街やビーチでも耐えられる素材に変更し、ブラックで別注しました。

 

 

 

 

 

今回訪問した工場は新長田駅の北側に位置するシューズの工場関連が数社入る雑居ビル。新長田駅周辺のシューズ工場は阪神淡路大震災の際に火災に巻き込まれ、多くが燃えてしまったのですが、<ラッキーベル>の関連シューズ工場は震災を耐え抜いたそう。訪れた時間が少し遅かったので、行った早々、工場のおばちゃんに「機械ほとんど止まってるから、ごめんな~!」て、言われたのですが、話を聞いているうちに工場のおっちゃん達の職人魂に火がついたのか機械のスイッチをオン。ガンガン響きだしたプレス機の音に工場の人達もニンマリ。

 

 

 

ビームス ジャパンとランチキによる共同企画でラッキーベルに別注したオールブラック仕様のスクールサンダル。フットベット部分に、特殊な凹凸を配し、ソールに特殊スポンジを採用することで機能性も向上。
ラッキーベル×ビームス ジャパン×ランチキのサンダル¥3800
/ じばさんらんちき(Tel :078-371-3939)

 

 

前川拓史

神戸を代表するセレクトショップ「乱痴気」の代表。2008年から、兵庫県内の地場産業と一緒に物づくりをする「兵庫じばさん」プロジェクトをスタート。以来、毎週のようにあらゆる産地を訪ねている。

 

じぱさんele

http://www.lantiki.com/ele/

 


 

【過去記事】

乱痴気 前川拓史の兵庫じばさんぽ。一覧を見る

 

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