2019.01.25 Fri
#Osaka
WHAT IS MORI !?
vol.1 『進化型古着屋”森”』は古着のワンダーランドです。
『スピンズ』や『ムモクテキ』を手がける京都のアパレル会社「ヒューマンフォーラム」が今年、創業25周年を迎えた。そんなメモリアルイヤーの門出を飾るべく、来たる3月16日(土)に、約300坪の大型USEDショップ『森』が中崎町の高架下にオープンする。全4回にわたって、『森』の全容をお届けするこのシリーズ。初回は、“USEDを拡張する進化型古着屋”のコンセプトを体現したアイテムをお見せしつつ、斬新なコンテンツがてんこ盛りのニューショップへの熱き想いをCEOの出路雅明さんと、新店の店長を務める森明憲さんに聞きました。
Photo / Mami Nakashima(Tryout)
Text / Shun Koda(Tryout)
―『森』をオープンにするきっかけは何だったんですか?
森 今から3年前、僕が入社して10年目の時に梅田の「HEP FIVE」に『スピンズ』の新店がオープンしたんです。その頃から徐々にティーンのお客さんが増えていって。嬉しいことなんですが、スタッフの年齢は上がって客層が若返っていく状況に危機感を覚えたんです。それと同時に新しいことに挑戦したいという意欲もふつふつと沸き上がり、30代のスタッフが働きやすく同年代のお客さんがふらっと立ち寄れるショップをつくりたいと思ったのがきっかけです。
―出路さんはこのプロジェクトのことを聞いた時、どう思われましたか?
出路 うーん、やってみたらって感じ(笑)。突き放すというより、信頼してるからこそ任せてみたかった。でもこの企画、2年くらい練ってたよな?
森 そうですね、長い道のりでした(笑)。当時は「大人版のスピンズをやりたい」という気持ちが先行するあまり、具体的なビジョンは何も見えてなかったんです。色んな企画を考えて会議に臨みましたが、他のスタッフからダメ出しの連続でした。
出路 周りに注意されてハッとすることも多いもんね。ただ熱意はすごかった。だから、他のスタッフも彼の企画に賛同したし僕の心も動かされたんです。
森 ありがとうございます、めっちゃ嬉しいです。3月にオープンすることは決まっていたんですが、全体のコンセプトが決まったのは’18年の秋。ギリギリまで会議を重ねて、色んな案が出たんですが、最終的に落ち着いたのが「古着一本で勝負しよう」。これは出路会長が提案したんです。
―ライフスタイルを扱う『ムモクテキ』やセレクトショップ『ギャレリー』なども手掛けてらっしゃいますが、改めて古着にフォーカスしたのはどうしてですか?
出路 ショップは街に驚きを与えたり、新鮮な風を吹き込む存在じゃなければならないと思っていて。数多くの古着屋が立ち並ぶ中崎町と梅田の中間地点、カルチャーとカルチャーがぶつかり合う場所に古着で埋め尽くされた大きなショップがあったら、街がきっと面白くなるだろうなと思ったんです。
森 しかも他のどこもやっていないことを僕らがやる。周りのショップと競争するのでなく、協力し合って街を賑わせたいという想いもありました。
出路 確かにそうやね。それに25年の歩みの中で培ってきた一番の武器はやっぱり古着だなと。四半世紀の総決算を見てもらいたいと思ったんです。
―コンセプトに“USEDを拡張する進化型古着屋”を掲げられています。“USEDを拡張する”とはどういった意味なんでしょうか?
森 USEDが持っている可能性や価値を広げ発信していくのが僕たちの使命なのかなって。ただ単に古着を売るのではなく、スタイルを発信していきたいんです。言うなればスタイルマーケット。「古着ってオシャレだよね」って思ってもらうことも大事ですが、古着を通して当時の時代背景を知ってもらえたり、人と出会ったりできるのも魅力かなって入社当時を振り返って改めて気付かされました。なので、『森』ではひと昔前に流行したストリートブランドに再びスポットライトを当てたり、古着をリメイクしてアップサイクルにも取り組むつもりです。
出路 コンテンツが盛り沢山すぎて話しきれない(笑)。例えば、オリジナルアイテムは全て日本製。なぜかと言うと長く愛用してもらって、未来のUSEDになってほしいから中途半端なことはしたくなかったんです。<チャンピオン>のリバースウィーブや<リーバイス>のデニムのように、タグやパッチを見ればどのシーズンのアイテムかわかるようにして遊びを効かせてます。
森 言わないと気付かれないかもしれないけれど、そこを大真面目にやりたかった。数年後に「これ、森のファーストシーズンだよね」と言ってもらえたら嬉しいですね。
―今までにない斬新な試みですね。他にもここならではの取り組みはありますか?
出路 古着のワンダーランドと題して、ショップの中を「世界」や「年代」、「カルチャー」に「キッズ」といった具合に、9つのカテゴリに分けて展開しようと思っています。
森 「世界」のコーナーであれば、この春夏はメキシコやキューバ、コスタリカなど中南米がテーマに、メキシカンパーカーやキューバシャツが並びます。その他、’90年代をキーワードにルーズで野暮ったいファッションを展開する「年代」のコーナーがあったり、’70〜80sのロンドンのパンクファッションを表現した「カルチャー」だったり、スポーツやアウトドア、ミリタリーといった定番モノ以外も一堂に会すのが新店の特徴です。
森 それぞれのスペースは、トレンド古着やレギュラーに比べれば小さいですが、その分凝縮して展開するので見応え十分だと思います。ハイブランドのコレクションのように毎シーズン、テーマを変えて紹介していったらオモロいだろうなって。
▲ロンドンファッションやパンクカルチャーを彷彿させる、ボンテージパンツやスタッズベルトなどのアイテムが充実
▲ガシッとした風合いのメキシカンパーカーやロザリオといったファッションアイテムの他、ぬいぐるみやフィギュアなど現地さながらのカラフルなスーベニアもストック
▲90sのストリートファッションをベースに、ドレッシーなアイテムをブレンドしてモードを表現。ずらりと並ぶ、シーズンをイメージしたトルソーにも注目したい!
―それぞれの個性が際立つラックがある一方でトルソーに目を向ければ、さまざまなカルチャーがミックスされているように感じます。
出路 さっき森が言った“スタイルマーケット”を表現するのがトルソーなんです。色んな要素を組み合わせる楽しさを自由に味わってほしいんですよね。
―30代オーバーにとってはどこか懐かしく、ティーンにとっては新鮮になるようなラインナップですね。マップを見ていて気付いたんですが、キッズスペースもあるんですか?
森 そうです、これもかなり力入れていて、他の店舗にファミリー客も多くて、お子さんがいると親御さんはゆっくりと服を見られないだろうなと思っていました。だからキッズスペースをつくって親御さんも安心して買い物を楽しめるようにしています。
出路 ジャングルみたいだからテンションが上がっちゃうんだろうね(笑)。それに子ども服もUSEDとリメイク、新品をごちゃ混ぜにしています。
森 親子三世代で来てもらいたいですね。
―お子さんに服をねだられたら、つい財布の紐が緩みそうですね(笑)。そもそもなんですが、『森』という店名は森さんが発起人だからですか?
森 そこ気になっちゃいますよね(笑)。実はあんまり関係ないんです。
出路 やっぱりツッコまれた(笑)。木が生い茂った森はさまざまな植物や動物が共存し、朽ちればまた次の命を育む多様性にあふれた場所じゃないですか。それこそ古着も循環して人々の手に渡っています。学生さんはもちろん、ヴィンテージ好きのおっちゃんにも来てほしい。街人の交差点になれたらという想いを込めてつけました。
森 さまざまな人との出合いを通じてアップデートを重ね、新しいカルチャーをどんどん生み出していきたいですね。
年代や国、カルチャーにフォーカスした様々な古着が展開される『森』。今回はそんな圧巻のラインナップのほんの一部をご紹介してくれました。今からオープンが待ち遠しですね!
出路雅明
全国に展開する古着屋『スピンズ』をはじめ、雑貨や飲食店などを手掛ける「ヒューマンフォーラム」の代表取締役会長。“ちょっとアホ”をモットーにした大胆なプロジェクトを連発する。
森 明憲
アルバイト時代から数えること13年目。斬新なコンテンツが盛り沢山な『森』の発案者にして、店長を任せられた同社の若きエース。古着と地元·大阪に対する愛情は人一倍強い。
▼NEXT ISSUE…..
「森が提唱する、“進化系古着”とは。」
さて、次回は『森』の中でも重要なコンテンツとなる、リメイクやアップサイクルといった、“進化系古着”にフォーカスします。お楽しみに!
※2月15日(金)配信予定
森
オープン : 3月16日予定
住所 : 大阪市北区中崎町西2丁目 梅田センタービル山側 チェルシーマーケット内
URL : mori.market
Instagram : @mori.market_official
Twitter : @mori_market
Facebook : www.facebook.com/535482560305111/
ヒューマンフォーラム
URL : www.humanforum.co.jp
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