2018.02.04 Sun
#Kyoto
キャンパス全体がギャラリーに!
未来の有名アーティストに出逢える
『京都精華大学展2018』2/2
アイドルに興味がなかった人にも
抵抗なく応援してもらえるように。
ポピュラーカルチャー学部
ポピュラーカルチャー学科 音楽コース
L:安田薫平さん R:庄司拓也さん
―アイドルのプロデュースが卒業制作だと聞いたんですが…?
安田:一昨年の11月頃、僕が彼に話を持ちかけてスタートさせました。彼は作曲系のゼミ、僕は企画系のゼミに所属して学んでるんで、それらを活かす形でアイドルのプロデュースをやろうと。学部自体、「つくる・届ける・考える」を軸にしてるんで、彼がつくることを担当して、僕が届けることを担当した感じです。
庄司:僕はもともとJ-POPに影響を受けていて、ジャニーズがすごく好きなんですけど、ああいういろんな人に聴いてもらえるメインストリームの音楽をつくりたかったんで、面白そうだなと。インディーズであっても、イロモノ色のない、正統派のアイドルにしようと。グループ名は、GlossHeartです。「アイドルを応援してる」っていうと、どうしてもオタクっぽく聞こえるけど、みんなが抵抗なく応援できるような、ちゃんと曲も聴いてもらえるグループをめざしました。
―めちゃくちゃ面白そうですね。プロジェクトは、どう進めていったんですか?
安田:まず内容が簡潔に伝わるフライヤーを考えてつくりました。「クールなビジュアルとキュートなパフォーマンス」をコンセプトにした、2017年4月から2018年3月末までの期間限定アイドルを募集してるって明記して。で、「スカジャンが似合う女の子」を一つの選別基準にして声をかけ、挙動不審にならないように(笑)フライヤーを見せながら説明しました。メンバーが決まったら、7月に設定したライブに向けて曲の練習を。ボーカル講師の方をお招きして、発声の基礎を教えてもらい、5~6月は週3~4回、練習してましたね。
庄司:その時点では2曲用意して。1曲目の「Starry highway」はグループの方向性をそのまま反映できるよう意識して、結成前につくりました。都会の深夜、高速道路を走っているようなイメージのシティポップ。作曲技法とかソフトの使い方とかは学んでたんで、これまでに培ったものを全部反映させた感じです。グループそのものも夜をイメージしていて。ちょっとアンニュイな感じで、アイドルの美しさを表現できたらと。公式サイトもつくって、曲はそこにもアップしています。
―これまでにライブはどこでやって、どんな活動をしてきたんですか?
庄司:ライブは、大阪の日本橋にあるメイドカフェとか、大学祭の一番大きなステージとかでやりました。曲も4曲に増やして、ミュージックビデオもつくって。昨年の12月と今年の1月にかけてはレコーディングをし、『焼きつけてよ、今のメロディ』というミニアルバムを制作中です。写真やデザインは、グラフィックデザインコースの友人にお願いしました。 多くの人に親しまれる耳なじみの良さと、ありきたりさは表裏一体ですが、その部分では聴きやすいけどインパクトがあるような曲を制作できたと思うので、いろんな方に抵抗なく受け取ってもらえるかなって。
―卒展は、どんな感じになりそうですか?
安田:友愛館のエレベーター横のスペースで、これまでの活動内容をまとめたものをビジュアル化して用意しようと思ってます。あとは音楽をかけっぱなしにして、ちょこちょこ映像も流す予定。扉のないスペースでやるので、建物内に音が聴こえるようにして、「どこで流れてるんやろ?」と、興味をもってもらえたらなって。物販では、ミニアルバムのほかに、僕がIllustratorでデザインした缶バッジも販売する予定です。あとは2/17か18のどちらかに、学内でライブをやろうかと。これまでアイドルに興味がなかった人にも届けることを一つの目標としてやってきたんで、気に入ってもらえるかどうかは別として、少しでも多くの方に届けたいですね。
ピラルクのぬるっと泳ぐイメージが
屏風の形状に合うかなって。
芸術学部 造形学科 日本画コース
米原志織さん
―ピラルクの屏風! すごい斬新でかっこいいですね…。いつからつくり始めたんですか?
米原:モチーフを探し始めたのは、昨年の春頃ですね。水の生き物が好きで、水族館によく行ってたんですが、大阪の海遊館でピラルクを見たときに、まず大きさに圧倒されて。近づいてみたらウロコのゴツゴツ感に、時代の積み重ねみたいなのを感じて、日本画の描き方に合うかなと思ったんですよ。そこから海遊館に通ってスケッチをたくさん描いて、どういう作品にしようか色味とか構図とかを考えました。
―立体感もあるし、色合いも絶妙ですけど、どうやって描いていくんですか?
米原:日本画の描き方なんですけど、まず下絵を描いてから、カーボン紙みたいなのを下に敷いて転写して、その線を墨とかでなぞって。胡粉(ごふん)っていう日本画の画材を使って、白いゴツゴツした部分を先に盛り上げといて、そこから下の色を塗りました。全体は岩絵の具です。金色の部分は、金箔と金泥。最初、金の粉をニカワで溶いて、液体状にして飛ばしたりしています。
―日本画は大学に入ってからですか?
米原:高校でも美術をやってたんですけど、そのときは油絵で。でも、ある展覧会で日本画の作品を見て、独特な色味とかに惹かれて、やってみたいなと。京都は画材屋さんも豊富だし、精華には、屏風とか掛け軸とか、昔ながらの古典技法とかが学べる「和の工房」クラスがあったんで。実際に今所属してるんですけど、できることの幅が広がりました。おかげで卒業後は、栃木で美術修復の仕事をすることになってます。
―今まで身につけた力が活かせるわけですね。卒展では、どういうところを見てほしいですか?
米原:このあと裏に青い紙を貼って、縁をつけて屏風の形に仕上げるんですが、屏風って見る角度によって絵の印象が変わるし、金箔とかの見え方も変わってくるので、いろんな角度から見てほしいですね。ピラルクってぬるっと泳いでくるイメージがあるので、それが屏風の形状に合うかなって思ったんで。もともと青色が好きで、色味も落ち着いた暗い感じを表そうとしたから、そのあたりもじっくり見ていただけるとうれしいです。
芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、ポピュラーカルチャー学部、人文学部の5学部と大学院からなる京都精華大学。今回の『京都精華大学展2018』には、大学4年生と大学院修了生あわせて約800人が参加し、校舎や空間を活かした展示やイベント、グッズ販売などなどを学生主体でドカーンと展開する予定なんで、面白いこと間違ナシです。入場はもちろん無料なので、ぜひ気軽に遊びに行ってみてください!
京都精華大学展 2018
http://seikaten.kyoto-seika.ac.jp
2月 14日(水)〜18日(日)
10:00~17:00
京都精華大学(京都市左京区岩倉木野町137)
入場無料・一般参加可能
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